ノウハウ

2人日の開発工数で売上19,000円/月アプリの秘密全部公開

有名ブロガーみたいに、400万/月のノウハウ公開!みたいな派手さは無いのですが、、個人開発では10,000/月、行けば嬉しいですよね?

僕なら大歓喜です。

そんな、僕の 19,000円/月 アプリの秘密を全部公開します。

 

何のアプリ?

「しつこいお薬アラーム」
という、薬を飲む時間にローカルプッシュ通知が来るだけのシンプルなアプリです。

2018/1 リリース


iOS
Android

サラリーマン時代に、お昼休みを使って2週間で完成させたのですが、僕は1日1食で、お昼休み1時間がまるまる使えるので、2週間というのは、お昼ご飯を食べる人には大分嘘ですが…

1時間 × 2週間 = 14時間 = 2人日弱

でiOS版が完成しました。

Androidは苦手なので心が折れて何度も頓挫しながら1ヶ月で完成させています(記憶が曖昧)

課金モデルは、広告 + 月額課金で、100円/月払うと広告が消せるというシンプルなものです。

画面は

  • お薬の登録画面
  • カレンダー画面
  • 服用履歴画面
  • 設定

と本当にシンプルです。

アイコン素材は商用利用OKのフリー素材です。
アプリアイコンもこのフリー素材を少しイジって作っています。

クオリティが高いのでオススメ。

ICOON MONO
http://icooon-mono.com

 

僕は普通の開発者なので皆さんと同じように、デザインができません。
ただ、素人なりにそれっぽく作るノウハウが溜まってきたので、それは別の記事で解説しますね。

iOSユーザーは特に見た目に厳しいので、ダサいと、もうそこで未来はありません。
(ダサくて恥ずかしいからホーム画面に置けないと言われ続けた黒歴史)

 

売上とダウンロード数

どんな感じで19,000円まで行ったのか、リリース日の2018/1から2018/12までの売上を公開します。
(iOS + Android)

広告費0円で、口コミだけで毎日40前後ダウンロードされ続けていて、2018/12/31まででiOS+Android累計17,200ダウンロードぐらいです。

 

月額課金用にサーバーを立てているものの、負荷は皆無。
みんなが大好きロリポップ。
スタンダードプランで6,480円/年
運用中の個人アプリ4つと、ブログ3つがココで動いているのでコスパ最高です。

データはアプリ内のSQLiteに入れて、iOSだけiCloudに随時バックアップしています。

 

お問い合わせも月に1回あるか無いかで、更新もしていないので、ほぼ放置で成長し続けている、個人開発では理想的なケースだと思います。

別記事で、個人開発で作るべきアプリの形、みたいな偉そうな物を書こうと思っているのですが、この「放置して勝手に成長」は重要な条件の一つだと思っています。

そうじゃないと、一人で続ける場合、アプリ数個で手が回らなくなってしまいますからね。

同じ理由で、チートやお問い合わせに手を焼かれそうな消費型課金には手を出していません
今の所、個人開発は、広告 + 月額課金 が最強じゃないかな、と思っています。

 

作ったきっかけとアプリの仕様

作ったきっかけは、サラリーマン時代、同僚の女性が、薬を飲むのを忘れるからしつこく通知してくれるアプリが欲しい、という要望から。

「公式アラームアプリなり、既に出ているアプリなりを使えばいいだろう」と言った所、普通のアラームだとしつこく通知できないし、他の通知アプリは余計な機能がついていて使いづらい、とのことで、ちょうどSwift4.0を覚えたかったので勉強がてら作ることにしました。

仕様は

  • 飲むまでしつこく通知が来る
  • 経過を記録したいのでメモ、履歴機能は欲しい
  • それ以外、余計な機能は要らない

です。

 

秘密1. キャラが通知する

沢山の人が読んでくれた2018年の売上公開記事にも書いていたので先に書きますが、

http://toconakis.tech/sales2018/

ユーザーさんに大きく評価されている機能の1つが
キャラクターがセリフでお薬を通知してくれる
という機能です。

余計な機能は要らない、って言われてるのにいきなり余計な機能ですが。。

 

キャラクターは

  • お母さん
  • チャラ男
  • 執事

の3種類
(システムは固定メッセージ)

セリフを増やしていった時に

  • セリフのニュアンスが被らない
  • 個性が出しやすい

という点からこの3人を選択しました。
(候補としては、ギャル、赤ちゃん、宇宙人、犬などもあった)

 

こんな感じで、キャラがしつこく薬の服用を催促してきます。
もっとセリフが見たくて薬をわざと飲まないようにしているという本末転倒な声や、お母さんが可哀想だから頑張って飲むという声がtwitterに上がっていて、想像以上の反響でした。

絵は一緒で簡単なセリフだけでも人は感情移入する

という新しい発見です。

これは、リリース直前に奥さんがひらめいた機能で、それは面白い!ということで急いで1日で追加しました。
素人のひらめき、あなどれないです。

 

セリフはGoogle Sheets + Google Scriptで、Localizable.string / string.xml を吐き出す管理ツールを自作して使っています。

リンゴを押すとlocalizable.stringが、ドロイドくんを押すとstring.xmlが吐き出されます。

多言語 + マルチプラットフォームになると手動管理ではミスが出てくるので、大事なポイントですね。
翻訳をお願いするときもこのシートを共有すれば良いので便利です
(たまたま英語が話せる奥さんや妹に依頼をしています)

後で整理して共有しますね。

 

秘密2. 通知をユーザーが喜ぶ逆転現象

プッシュ通知は一般的に、作り手/企業が宣伝をするために飛ばす、作り手/企業本位の使われ方をするので、乱発するとユーザーが離脱します。

僕も、イベントの通知がしつこいゲームは大体削除します。

しかし「しつこいお薬アラーム」では、お薬を飲むため+セリフが見たい、ということでユーザーが喜んでプッシュ通知を受け入れます
というか、ユーザーが自分で沢山セットします

むしろもっと頻繁に送ってくれないか、と要望がちょこちょこ届いています。
(が後述する理由でできない。。)

 

そして通知が来るとお薬を飲んだ時間を記録するために、大体アプリを起動してくれるので、他の個人アプリより起動率 = 広告収入が高いです。

画期的すぎます。

 

秘密3. トリガー無しでの連続スヌーズ

これが一番評価されている機能です。

評価の声の大多数は
「しつこいお薬アラームって言うけど、本当にしつこくてワロタ」
です。
人の満足は、事前の期待との差で生まれると、誰かが言っていましたが、しつこさが予想を大幅に超えていたのが成功要因だったようです。

 

飲むまでしつこく通知して欲しい、と同僚の要望を聞いた時「スヌーズだな」と思って、最初のリリースでは、プッシュ通知をクリックしてアプリが起動した後「あとで飲む」を選ぶと改めてアラームを再セットする仕組みにしていました。
これなら、飲むまで無限に催促ができます。
まさに、みんなが知ってるスヌーズ機能です。

しかし「通知に気づかない事もあるから勝手に何度も通知して欲しい」という無茶振りが来ました。

そこで、ローカルプッシュの通知自体をハンドリングして、アラームの再セットをしようと、色々調べてみたものの、通知自体をハンドリングする方法が僕には見つけられませんでした
(あったら教えて下さい。お願いします!!!)

 

そこでウンウン悩んで閃いたのは、最初にアラームをセットするタイミングで、指定した飲む時間から10分おきに5時間分まとめて通知をセットしておいて、アプリを起動して「飲んだ」と押したらアラームを全部切る、という逆転の発想です。

無事、通知に気づかなくても勝手に発動するスヌーズ(と使っている人には見える)が完成しました。

 

が、テストで沢山の薬をセットしてみると何かおかしい。。。
通知が飛んだり飛ばなかったり不安定。

必死で調べてみた所、LocalNotificationは合計64個まで、という秘密仕様があるようでした。しらんがな!
現在iOS12でも改善されていないようです。

そこで、1つのアラーム登録時間に対して、20分おきに3時間まで(9回分)だけ登録する仕様にしました。

 

と、いう理由で、もっともっと沢山通知して欲しい、という要望は結構難しかったりします。。

 

ちなみに、この内容は発想の転換以上に、とても大事な要素が含まれていると個人的には思っています。

それは「仕様を100%満たそうとしなくてもイイ!」という事です。

本来であれば「飲むまで永遠に通知して欲しい」という仕様なので、仕様を満たしていないのですが「まぁ3時間も通知して飲まないならもういいだろう」と現実的な線でやめるのは色々な場面で可能性を大きく広げると思います。
(実際、3時間で切れる事に対してクレームは全くありません)

開発者は完璧主義者が多くて、現実的には起こらなくても理論上ありえるケースまで想定して命を削りながら、仕様を120%満たそうとしますが(僕がそうだった)、個人開発では積極的に(手ではなく”仕様を”)抜いて、怒られたら直す、ぐらいで良いと思います。
(今まで抜いて怒られたケースは一度もないですが)

 

秘密4. 下側UI + 統一カラー

iPhoneの巨大化に合わせて、確定/キャンセル/画面遷移ボタンなどよく使うボタンを画面下部に全部集めて片手で操作ができるようにしています。

また、フラットデザインだとボタンが分かりづらくなりがちなので、押せるボタンは全て緑色に統一しています。

これらのおかげで、ヘルプもガイドも一切無いものの、初期離脱を防いで、保守工数ほぼ0なのに安定した成長につながっているのではないかと思っています。

 

おまけ

実用上、出ててもまったく困らない広告を消すだけのために、毎月100円も払うのだろうか??

と思って、それなりの機能を月額課金ユーザーのために用意したくなる所ですが、正解は
広告非表示機能だけでリリース
です。

これも、開発者の完璧主義が為せる勘違いだと思います。
僕もIT業界とまったく関係のない仕事をしている奥さんに、とりあえずそのまま出せ!と言われるまで

「月額課金ってず〜〜〜〜っとお金とられるんだから、1,000円ぐらいの価値を感じられる機能を追加しないと絶対払わない」

と思っていたのですが、面倒だったので、そのまま出した所、13人が契約してくれて910円の利益(解約されなければ毎月入る!)が発生しています。

別のメモアプリでは、150円/月なのに69人も契約してくれています!!(驚愕)

個人開発は工数が限られるので、とりあえず出しちゃって、反応がなかったら機能を足しましょう。

 

お正月二日目の現場からは以上です!

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